どーも、ふわりふらりでございます。
さすが名将エディーさんですね。今年2023年1月29日、ご自身の母国であるオールトラリアのラグビー代表ワラビーズHCに返り咲き、8月10日の代表メンバー発表では、マイケル・フーパー選手、クウェイド・クーパー選手ら代表入り確実とされていたビッグネーム数人を(おそらく痛烈な批判覚悟で)外し、一昨年から不調続きであったチームの若返りを図りました。これはもう『新生ワラビーズ』といってもいいほどです。
このビッグサプライズに、オーストラリア国内では、ワラビーズファンはもとより、広く一般の人々も騒然となり、特にフーパー選手とクーパー選手のファン、いわゆるフーパ―クーパー推しの人々に強烈なフーパ―クーパーロスを引き起こし、「マヂカヨ、ミスターエディー! フーパークーパーがいないワラビーズなんて、ハンバーグの入ってないハンバーガーだぜ!」、「ハンバーグが入ってないハンバーガー? ……なにそれ、『ガー』っていえばいいの? いやいや、もはや『ー』じゃない? そしたら発音できなくない?」などといった批判がオーストラリアラグビー協会に殺到すると、国内100店舗以上を展開するハンバーガーチェーン『Grill’d』が、この事態に便乗、「ワラビーズファンの皆様、そう熱くならずに。ハンバーガーでお腹を満たして、どうか気をお沈めください」とのキャッチフレーズで、ハンバーグ抜きのハンバーガー『ニューワラビーズ』、そして、同チェーンの主力商品『ゲームチェンジャー』になぞらえた『ワラビーズチェンジャー』の2つを期間限定商品として発売したところ、よけい火に油を注ぐ結果となり、おそらくフーパ―クーパー推しの人々の仕業と察せられますが、ウーパールーパーが入った水槽が、一夜のうちに協会本部建物前に無数に並べられ、早朝ジョギングで通りがかった一般人がキツネにつままれたような思い、もといワラビーに蹴られたような思いをしながらも、その光景の画像に「大変! ラグビー協会がウーパールーパー専門店になっちゃった!」とのコメントを併せてSNSに投稿すると、皆がこぞって『#(ハッシュタグ)ウーパールーパー』で検索、結果『ウーパールーパー』が検索ワードのトップに急上昇するという事態に至った……、というのは紛れもないフィクションです。この段落、ほぼほぼ嘘です。ジョークです。ワラビーズファンの皆さま、怒らないでくださいね……、ささ、この『ワラビーズチェンジャー』でもお召し上がりになって……。
そんな与太話はさておき、この代表選考に批判があったのは事実であり、それを覚悟でチーム一新を断行したエディーさん。ワールドカップの結果次第では、さらに批判は強まるでしょう。エディーさんといえば今の日本代表を築き上げた一人ですからね。エディーファンとしても、これはもう目が離せません。それでなくともプールCに入っているワラビーズは、日本代表が準々決勝で当たる可能性のあるチームです。ですから最初の対戦相手、スクラムでは世界屈指のジョージア代表レロスとどう戦うのか気になる試合でした。そんな新生ワラビーズですが、開幕前のテストマッチ5連敗を最後に、どうやら調子を上げ始めたかのようです。
前半のワラビーズは好調でした。本来フライハーフのベン・ドナルドソン選手が15番に起用されたところからも予測できるように、当のドナルドソン選手や10番カーター・ゴードン選手、14番マーク・ナワンガニタワセ選手らのキックによってボールを大きく動かし、フィールドを広く使い、ジョージア代表のコンタクトという強みを消します。キッキングゲームになったことから、上述3人に加え、埼玉パナソニックワイルドナイツ所属の11番マリカ・コロンインベテ選手、浦安D-Rocks所属の12番サム・ケレビ選手、13番ジョーダン・ペタイア選手が力強いランを見せつけ、バックス全体が、まさに俊敏俊足なワラビーの集団と化し、カンガルーキックならぬワラビーキックで、ゲームを支配していきます。
そうかと思えば、フォワード陣も観る者を驚かせます。エディーさんが「世界一のタイトヘッドになるだろう」と高く評価する3番タニエラ・トゥポウ選手らが、スクラムでジョージア代表のお株を奪うかのようにプレッシャーをかけ、押し、さらに反則を奪うという、言ってみればジョージア代表のプライドを崩すシーンも見られました。
ただし、さすがのエディーさんも着任わずか7ヵ月でチームを完璧に仕上げるのは難しいのでしょうか。ディフェンスについては鉄壁とまでは言えない感があり、25分と34分、ジョージア代表にあっさりスルスルとビッグゲインを許しています。もちろん背後にウイングやフルバックが控えており、大事には至らないわけですが、それにしても簡単に抜かれているように見えます。それはさておき、ワラビーズは前半を21対3で折り返します。
ところが後半になると、ワラビーズが失速したのか、ジョージアが息を吹き返したのか、いずれにせよ形勢が逆転します。ジョージア代表は、前半終了間際に11番ミリアニ・モデバゼ選手がイエローカードで一時退場しており、この時点では14人であったにもかかわらず、43分、ハーフウェイライン付近のマイボールスクラムで反則(アングル)を奪うと、ペナルティキックでタッチに蹴り出し、ワラビーズ22メートルライン内でのマイボールラインアウトからラックでふたたび反則(ノットロールアウェイ)を奪います。このペナルティーキックもタッチに蹴り出し、5メートルライン上でのマイボールラインアウトから、モール、そしてラックを3度繰り返し、ボールは9番ヴァシル・ロブジャニゼ選手から10番ルカ・マトカヴァ選手に、そして7番ルカ・イヴァニシヴィリ選手に渡り、この試合初のトライを奪います。スクラムハーフのロブジャニゼ選手は、3回あったラックからの球出し先を、順目、順目、最後に逆目としたのですが、順目側に出す時はゆったりと、逆目側にはフェイント気味に素早く持ち出しパス、という緩急をつけた動きをしています。それが功を奏したのか、それともワラビーズ、トゥポウ選手のタックルのタイミングが遅かったことがトライにつながったのか、そこは私ふわりの素人目には分かりませんが、ワラビーズの前半のディフェンスを併せて考えますと、ワラビーズのディフェンスは案外弱いような、タックルに「自分が止める」という意志が見えてこないような、そんな印象を抱きました。
このトライで21対8となり、ジョージア代表は、2トライ2ゴールで逆転という点差に詰め寄りますが、55分、不運に見舞われます。15番ダビット・ニニアシビリ選手が自陣22メートルライン内からワラビーズ陣22メートルラインを越えるビッグゲインを見せるも、ワラビーズ21番ランギ・グリーソン選手のタックルを受け、オフロードしたボールが運悪くワラビーズのトゥポウ選手に渡り、さらにドナルドソン選手へ、そしてトライを奪われます。ここから少しずつ試合の流れはワラビーズに戻り、35対15でノーサイドを迎えました。
後半61分、ウォーターブレイクの際、『相手チームにボールを渡す』というミスをしてしまったニニアシビリ選手は交代となり、肩を落としてベンチに下がるシーンが映るのですが、その背中に、そして背番号15に、なんとも言えない気持ちになりました。私ふわりのように、ふわリふわり、ふらりふらりと生きている人間には想像もつかないほど辛いでしょうね。なにしろ、ひとりで戦っているわけではないのですから。
そういうわけで、ふわりにとって、オールブラックス、チリ代表に続いて、このワールドカップで応援したくなるチームができました。こうして応援したくなるチームが増えていくのも、ラグビーの、そしてワールドカップの魅力かもしれません。ニニアシビリ選手、No Worries! そしてジョージア代表、次からは応援します!
話をワラビーズに戻しますが、なにしろオーストラリアの代表ですから、春先の南半球から残暑厳しいフランスへの移動は体力的にきついのでしょうか? 後半はフィットネスが落ちたような気もします。
とはいえ、今回はバックスが目立ったワラビーズでしたが、フォワードも強力です。同じプールCのウェールズ代表やフィジー代表とは、どんなスタイルで戦うのか、エディーさんの采配も含め、楽しみですね。そしてまた、強みを消され、一時はプライドを崩されたジョージア代表もまたしかり。
我らが日本代表は、ワラビーズ相手にどう戦うのか? ひょっすると、ひょっするとですよ、普段はパワーを抑えている『笑わない男』稲垣選手が、トゥポウ選手を相手に、そのリミッターを外し、『抑えない男』に変身する瞬間が見れるかもしれませんね。
いやはや、なにはともあれ、やっぱりワールドカップは楽しい!
ということで、今日はこんなところで失礼いたします。
またお会いしましょう。ありがとうございました!
ふわりふらり
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