どーも、ふわりふらりでございます。
いやーーーーーーーーーー、残念です!
んもーーーーーーーーーー、無念です!
12対34、日本代表、惜敗、まさに惜敗です。
負けはしたものの、こう思いました。
「いや、日本代表、めっちゃ強いじゃん!」
というのも、この負けは、「点差ほどの実力差はない」とか「力およばず」という内容ではなかったのではないか、と私ふわりの素人目には映ってしまうのです。まだるっこしい言い方をせずに、はっきりした物言いをすれば、私ふわりは、
「日本代表、勝てたんじゃねえの?」
と言いたいわけです。
というのも、前半は互角以上の戦いを見せてくれましたよね。そもそも、スクラムで負けなかった。いや、むしろ勝っていた。これはイングランドにとっては誤算のひとつだったでしょうね。日本代表の15番セミシ・マシレワ選手が前半6分で負傷退場してしまったのは誤算でしたが、代わりにコートに入った23番レメキロマノラヴァ選手がしっかり後を継ぎ、さらには、9番流大選手のナイスキックやナイスタッチ、そして10番松田力也選手の正確なパスキックも冴えていました。さらに松田選手はチリ戦に引き続きPGも絶好調で3本すべて成功させました。
ところが、残念なことにトライは奪えませんでした。キックパスやショートパントを使った攻撃が、大事なところに限って上手く填まらなかったんですよね。前半でチャンスを逃したシーンを2つピックアップしました。まず1つ目。
10分45秒、ハーフウェイラインと日本陣10メートルラインの中間地点で、イングランドボールのラインアウトから始まった攻撃。モールで22メートルライン近くまで押されますが、モールから出たボールを11分40秒、13番長田智希選手がインターセプト。そこから始まった日本の攻撃8フェイズ目、イングランド陣ゴールライン手前3メートルの地点でのラックで、イングランド7番ベン・アール選手の反則(ホールディング)によりアドバンテージを得ると、9フェイズ目、流選手からパスを受けた松田選手がゴールライン手前、タッチライン際にキックパス。走り込んだ11番ジョネ・ナイカブラ選手とタイミングが合わず、12分49秒で攻撃終了。攻撃時間はおよそ1分9秒。その後、松田選手がPGで得点。
アドバンテージを得ているわけですから、それが解消される前に、たとえばキックのようなギャンブル性のある攻撃を仕掛け、あわよくばトライ、失敗してもPGを狙うというのは常套手段です。さらに、2つ目。
20分15秒、ジャパンボールのラインアウトから始まった7フェイズ目、イングランド陣10メートルラインから5メートルほど進んだところで、イングランド13番ジョー・マーチャント選手の反則(オフサイド)によりアドバンテージを得て、9フェイズ目、流選手からパスを受けた松田選手がディフェンスライン裏へショートパント。そのボールがイングランド陣22メートルラインを越えたところに落ち、バウンドしたところをイングランド15番フレディ・スチュワード選手がキャッチミス、走り込んだレメキ選手がそのボールを追うも手につかず、21分9秒で攻撃終了。攻撃時間はおよそ54秒。その後、松田選手がPGで得点。
こちらも、アドバンテージを得てキック、というパターンですね。
結局1つ目も2つ目も、松田選手がチリ戦と同様に正確なキックでPGを決め、3点ずつ獲得できたのはよかったですね。
結局前半は、日本がPGを3本決めて9点、イングランドがトライ1つ、ゴール1本、PG2本で13点、日本の4点ビハインドで終わりました。
ここまでの展開って、RWC2019でアイルランドを破った試合と少し似てますね。あの試合の前半は、日本がPGを3本決めて9点、アイルランドがトライ2つとゴール1本で12点でした。
ただ今回は、なんとなく『格上相手に勝ちを急いだ感』があったような気がしてしまいます。
とはいっても、このキック攻撃によって、イングランドに「今日の日本やばくね? なにするか分かんなくね?」と思わせる効果はあったのかもしれませんね。
後半になると、早めの段階でキック攻撃を仕掛けます。
41分、イングランドがハイパント、そのボールを松島選手が自陣10メートルライン上でキャッチ。そこから3フェイズ目、ハーフウェイラインと日本陣10メートルラインの中間地点のラックからボールを出した流選手がスクラム裏にショートパント、相手陣10メートルラインを少し越えたところに落ちて転がるボールをレメキ選手が追うも、イングランドにボール奪われ攻撃終了。
43分、ハーフウェイラインを3~4メートルほど越えた地点からのマイボールラインアウト。そこから始まった攻撃の2フェイズ目、ハーフウェイライン上のラックからボールを出した流選手が、そのままオーバーヘッドでラック裏にショートパント、そのボールが相手陣10メートルラインを少し越えたところに落ちていき、落下点に走り込んだ12番中村亮土選手がキャッチを試みるも手につかず。
どちらも惜しかったんですよね。これが繋がっていたらトライを奪えた可能性は高いですよね。トライに繋がったキックといえば、RWC2019のスコットランド戦39分、日本の13番ラファエレティモシー選手がディフェンスラインの間隙を突いて蹴り転がしたボールを11番福岡堅樹選手がキャッチ、それがトライにつながったシーンは記憶にある方も多いでしょう。
ラファエレ選手のグラバーキックも、福岡選手のキャッチも素晴らしかったですよね。ただ、やっぱりキックって難しいですよね。成功すれば賞賛されますが、失敗すれば非難されますし。
イングランドのラッシュアップディフェンス(素早く極端に間合いを詰めるディフェンス)対策として、アタックコーチのトニー・ブラウンさんや選手たちで、素人には分からない高度なプランをいろいろと用意していたのでしょうね。
ただ、欲を言えば、ここぞというときには短いパスを繋いで、もっとじっくり攻めるところを見たかったかな、と。
先日行われた『イングランド代表対アルゼンチン代表』では、アルゼンチンが77分01秒から79分04秒まで2分間強をかけて、キックを使わずフェイズを重ね、(おそらく)15フェイズ目でトライを奪っています。
日本代表も、RWC2015の南アフリカ戦で、イングランドと同じラッシュアップディフェンスに対し、2分30秒弱をかけ、キックを使わずフェイズを重ね、(こちらもおそらく)15フェイズ目に、あと一歩でトライというところまで追い込みました。ゴールライン手前、15番五郎丸歩選手がタックルを受けて倒されたんですね。ところが、そこで起こったラックで南アフリカが反則、それがあの歴史的勝利につながっていきましたよね。
ちなみに、このシーンについて以前の記事で書いておりますので、よろしかったらご覧くださいませ。
先日のアルゼンチン代表からは『トライへの執念』を、あの試合の日本代表からは『勝利への執念』を感じました。こういうの……見たかったな。
さておき、55分、イングランド1番ジョー・マーラー選手による超レアプレーが、画面いっぱいに映し出されます。これは、アイルランド戦でのフォード選手による3連続ドロップゴール成功と並んで伝説になるでしょうし、また、そのあまりのレアさに、当のご本人も両手を上げてびっくりされたほどで、”Oops!”と叫ぶ声が聞こえてきそうでありました。そのプレーこそ、サッカーでは一般的ですが、ラグビーではそうそうお目にかかれない『ヘディング』でした。
ミラクル。まさにミラクルなヘディングでした。では、いったいこのヘディングのどこがミラクルなのか?
簡単な話です。イングランド10番フォード選手がパスしたボールが、同18番ウィル・スチュアート選手の腕に当たり後方に弾かれる確率、そのボールがマーラー選手の頭に当たる確率、さらにそのボールがイングランドに都合のよい方向に飛んでいく確率、これらの確率を計算すれば、極めて低い数値になると推測されるからであります。さらに、ボールが当たったのがマーラー選手の頭の毛髪の部分ではなく地肌の部分であった場合、ボールが汗や湿気で滑ったであろう点も考慮すれば、摩擦係数の関係上、その確率は、おそらく天文学的数値となるでしょう。ふわりは、このスーパーミラクルプレーを『マーラーヘッド』と呼ぶことにしました。
真面目な話、このヘディングにはやられましたね。神様のいたずら? いやいや、いたずらにもほどがあるでしょ。集中力がそがれるでしょ。マーラー選手は、よく見ると凛々しいお顔立ちですが、ボールが当たって手を上げた瞬間は、吉本興業の故・島木譲二さんか、ハリウッドザコシショウさんに見えてしまいました。会場となったスタジアム『スタッド・ド・ニース』が一瞬『なんばグランド花月』になってしまったわけです。ふつう笑うでしょ。真剣な試合中に、いかついモヒカン大男が両手を上げて「あ痛っ!」って叫んでるんですから。きっと日本代表の面々も、とくに関西出身の選手たちは「自分、なにしてくれてんねん」とか「あかんで、真面目にやらんと」などと言いながら、マーラー選手のモヒカン頭をひっぱたきたくなったはずです。いや、この場合、軽くパシンと叩くぐらい許してもらわなければならないでしょう。そのぐらいの権利はあるはずです。だって、こんなプレーが許されるなら、ラグビーの試合は一発ギャグの応酬になってしまうではないですか。それが行き過ぎて試合にならなくなったら、ノットロールアウェイ(not-roll-away)とか、ノットリリースザボール(not-release-the-ball)みたいに、ノットシリアスリー(not-seriously)とかいう反則ができるのでしょうか。
ともかく、この偶発的なプレーから、イングランドはトライを奪います。ですが、この時点ではまだ日本代表に勢いも集中力も残っているのです。
57分08秒、イングランド5番オリー・チェサム選手がノックオンしたボールに向かって、2番堀江翔太選手が滑り込みつつ、そのボールを器用に片手ですくい上げながらパス、そのボールを受け取った15番松島幸太朗選手が40メートルほど独走、さらに5フェイズ重ね、ゴールライン手前まで進みますが、21番齋藤直人選手から18番ヴァルアサエリ愛選手へのパスが通らず攻撃終了。約52秒の攻撃でした。
試合開始からの展開をイングランド側から見れば、得意のキックゲームに持ち込み、前半序盤こそ思いどおりにいったものの、スクラムを崩せず、キックで応戦され、ディフェンスもなかなか崩せず、『ノット1メートル』などという不用意な反則を取られ、珍しくPGを外し、得意のラインアウトでボールを奪われ、「なんかさ、思ってたのと違くね?」とイラつき、もはや、「つうか、マーラーって、あんな武器、隠し持ってたのな」、「いや、隠してなくね? むしろ、むき出しじゃね?」といった会話で気を紛らわせるしかなかったはずです。
その後は徐々にイングランドペースになっていくのですが、前半から後半10分あたりまでの日本代表は、誰が見ても内容では劣らない、むしろ勝っていると思われる展開を見せてくれました。
あれれ、やばい、今この記事を書いているときにマイケルリーチ選手のインタビューが流れ、「応援よろしくお願いします」という締めに、思わず目頭が熱くなりました。リーチ、応援するに決まってるじゃん!
「リーーーーーーーーーーチッ!!!!!」……って叫びたいわ、フランスで。
話を戻しますと、ふわりはこう思います。
日本代表はイングランド代表に、実力の面では引けを取らない、むしろ勝っている。
しかしながら、相手はラグビー発祥の国を代表する男たちであり、格上です。格上には「格下には負けない」というプライドがある。格下は、そんな格上のプライドにも負けない『なにか』を持っていなければ勝てないのかもしれません。そして、前回、前々回の日本代表には、それがあった気がします。それというのは「相手のプライドも、世間の評判も、全部ひっくり返してやる」という格下のプライド、チャレンジャーのプライドであり、そのプライドこそが、セイムページの1枚目であったような気がします。
今大会でも、そういう『なにか』を胸に、じっくり腰を据えて格上を攻め、倒す姿を見せて欲しい。キックを使って効率よく点数を取りにいくのと同時に、前回、前々回のように、泥臭く、愚直なまでにトライを狙ってほしい。だって、みんなそういう日本代表の姿に、心を打たれたんですよ。
なので、チリ戦で最初にトライを奪われたとき、そしてこの試合で奇跡のマーラーヘッド経由のトライを奪われたときのように、レフリーの笛が鳴るまではセルフジャッジせずに、愚直に、ひたむきに、ボールを追う姿を見せて欲しい。どちらに跳ねるか分からないラグビーボールですが、そういう姿には引き寄せられるのではないでしょうか。
日本代表は強い。決勝でイングランドと再戦する可能性がありますが、そのときは日本代表が必ず勝つ。ただし、そのためには、なにがあっても笑わない稲垣選手のように、全員が精神修行を通して心を鍛え上げ、不動心を手に入れておく必要があります。イングランドは敵ではない。マーラーヘッドが敵なのです。何が起こるか分からないのが試合ですから、勝ち急ぐことなく、じっくり腰を落ち着けて、イングランドを料理してほしい。
朝から時間をかけて書いていたら、もう夜です。さきほど、負傷したマシレワ選手が離脱、山中亮平選手が緊急招集されたニュースが入ってきました。マシレワ選手の怪我が早く治ること、そしてグー君の痛みが治まり、山中選手と、皆と一緒にサモア戦のコートで元気に走る姿を見ること、さらに日本代表がサモア、アルゼンチンに連勝して予選を突破、オーストラリアやイングランドと戦って勝つシーンを見ること、いろいろと祈りつつ、この記事を〆ることとします。
ではまた! ありがとうございました!
ふわりふらり
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